ホーム | 日系社会ニュース | 母語の教材、足りない=花田氏ら寄付活動スタート=デカセギ子女学校

母語の教材、足りない=花田氏ら寄付活動スタート=デカセギ子女学校

5月6日(木)

 オイスカ・ブラジルの花田ルイス元事務局長と、在日外国人就労者共済会(VIVA VIDA)の野口重雄理事長の呼びかけで、日本ブラジル文化協会の伝田英二、松尾治、和田忠義の副会長三氏が辞書や歴史の教科書などポルトガル語の本約百冊を神奈川県綾瀬市のブラジル人学校スマート学園に寄付する。花田さんらは今後、日本のデカセギ子女への図書寄贈活動の輪を広げていくため、事務局の設置など支援体制作りに務めたいとしている。
 花田氏は今月の初め、オイスカ農業研修生の引率者として訪日。その際、同学園を視察し、「複式授業が行われ財政が厳しく教師、教材とも不足している。彼らのために何かできないかと考えた」
 先日オイスカのプロジェクトで文協の庭園改修工事を資金面で援助してくれた野口氏に相談。「この問題は子供たちにとってだけじゃなく、日本の将来にとっても大事な問題だ」と、野口氏が日本における本の受け入れ、分配などの面で協力を申し出た。
 そこで二人は文協に話しを持ちかけたところ、文協副会長三人から共済会サンパウロ事務所に百冊近い本が届けられた。
 花田氏は「ブラジル移民が子供の言語教育に悩んだとき、日本からたくさんの本が送られてきたように、今度はわれわれが日本に住む日系の子供へ本を送る番」と語り、寄付活動に本格的に乗り出したいとしている。

image_print