コラム オーリャ!

 車椅子で生活している日系身体障害者を取材した。毎朝九時から午後六時までコンピュータープログラマーとして仕事をし、通勤には手だけで操作できるように改造した車を運転する。
 テニスなどのスポーツも愛好し、ファベーラの障害者向けに講演会なども行っている。そして、現在は演劇に熱中。まるで健常者以上に人生を楽しんでいる様子が、手にとるように感じられた。
 車さえ運転しない私と比べても、遥かに行動的かもしれない。「他の人を元気付けたり、助けたりしたい」。彼の口から発せられるそんな言葉に、なんの奉仕活動もしていない自分が恥ずかしくなる。人の価値は肩書きで決められるのでなく、人生に対する態度だと感じさせられる取材だった。   (深)

04/05/19