コラム 樹海

 参議院議員の選挙が近づき在外公館は準備で大変らしい。殊にサンパウロ総領事館の動きは猫の手も借りたいほどの忙しさだと巷の雀たちの噂は姦しい。言うまでもなくこの選挙から「在外公館投票」が実施されることになった。管内に一万人を越す有権者がいるのだからサンパウロ総領事館の担当者らが多忙なのはよくわかる。それに―選挙の実務の経験はないだろうし、ご苦労のほどはお察し申し上げます▼ですが、やはり現地での投票は大切だと思います。私事で真に恐縮なのですが、先の参議院選挙では日本の選挙区事務所から郵送で送られて来た書類の届くのが遅れてしまい残念ながら「投票できない」結果になってしまいました。移民たちの多くは「ブラジルまできたんだから」の思いが強いのか選挙人登録に消極的な向きがいますけれども、いずれは選挙の必要性に目覚めるに違いありません▼今、海外で暮らす日本人は七十五万人と少しです。このうち選挙登録しているのは約七万五千人います。うち一万一千六百人余がサンパウロ総領事館の管内に在住しています。つまり―世界で登録した邦人有権者の十五%もの人々が在住しているわけです。邦人が最も多いのはアメリカながらNYよりもサンパウロの方が日本国の有権者がいっぱいいるのです▼ですから―と言うわけではありませんけれども、総領事館の皆さんも頑張って下さい。わたくしどもも、清き一票を投じるつもりでいます。その一票が生かされ移民らの声が国会に届くようにと祈りながら―。    (遯)

04/06/15