コラム 樹海

 参院選挙の公館投票に行ったら投票用紙を渡してくれた係員が「一人で書けますか」と(筆者に)聞いてくれた。去る二十六日付七面記事にあったように、今の総領事館員はとても丁寧で、ビックリするくらいである▼一方で、きのう朝、有権者の女性から電話があった。「誰がどういうことをしてくれるか、どの党が何をしようとしているのかわからない」。総領事館は敷居が高くて行きずらい(という先入観)に加えて、候補者名、政党がわからない、どうすればいいのか、といった問い合わせ、抗議が混じったような物言いだった▼確かに、日常、日本の放送や出版物によく目を通してないと、さあ、投票だ、といわれてもまごつくのはわかる。しかし、それはさておいて、投票は日本人の義務と考えるべきだ▼今度初めて、海外では最大の票田であるサンパウロが公館投票でもいいことになった。いまこそ、具体的に「ブラジルには、まだ、日本国内と同じように、日本人がいる」ということを、日本側に「票」でもって知らせなければならない。チャンスなのだ。こうした〃衝撃〃ともいうべきものを日本側に与えるチャンスはめったにあるものではない。そうしなければ忘れられてしまう▼幸いというべきか、総領事館は、ひところと違って応対の仕方が至れり尽くせりだ。投票になんの苦労もない、候補者名、政党の一通りの案内は掲示されている。投票は明日までだ。二十九日付でも書いたが、再び「さあ、投票に参りましょう」。(神)

04/07/02