メルコスール首脳・外相会議=日本から代表初参加=有馬氏=関係緊密化に期待感

7月3日(土)

  七日、八日の両日、アルゼンチンのイグアスで開催されるメルコスール首脳・外相会議に、日本政府代表として有馬龍夫氏が出席する。同会議に日本から出席するのは今回が初めて。ただ、日本とメルコスールの間では、外務省次官レベルの会合が九六年以来、開催されており、六月二十八日には東京で第六回会合があったばかり。
 有馬代表は、ラファエル・ビエルサ・アルゼンチン外務大臣、レイラ・ラチド・パラグアイ外務大臣及びヂィヂィエル・オペルティ・ウルグアイ外務大臣をはじめメルコスール諸国等の首脳や閣僚と会談を行う予定。
 メルコスールは、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイから構成される関税同盟(チリ、ボリビア、ペルーが準加盟国)。域内の財・サービス・生産要素の自由な流通、対外共通関税の創設、共通貿易政策の採択、マクロ経済政策の協調などを目的・原則として、一九九五年に発足した。
 最近は特に、アンデス共同体との自由貿易協定の締結、EUとの自由貿易連合協定交渉と、域外諸国・地域との経済統合の動きを活発化させている。今回の有馬代表の派遣により、日本とメルコスール関係の一層の緊密化が期待される。
 また、一日、ウルグアイのモンテビデオで開催されたALADI(ラ米統合連合)常駐代表委員会会合では、日本がオブサーバー国として招待された。その記念式典は十日、同市で開催され、有馬代表も参加する予定。
 ALADIは八〇年のモンテビデオ条約により「ラ米自由貿易協定連合(LAFTA)」を改編し、地域統合・自由貿易の促進を主な目的として設立された地域機構で、現在中南米の十二カ国が加盟。今回のオブサーバー参加を通じ、今後の日本と中南米との一層の関係強化が期待される。
 有馬代表は六二年外務省入省、九七年外務省参与、九八年日本国政府代表、また元外務省北米局長、元駐独大使などを歴任し、国際政治に精通している。