新社長に酒井氏=味の素 南米通のブラキチ

7月14日(水)

  味の素インテルアメリカーナ社、味の素ビオラティーナ社の新社長に、味の素フィリピン社の酒井芳彦社長が八月二日、正式赴任する。海外勤務は通算二十四年で、ブラジル赴任は二回目。前回は八二年から五年六カ月勤務した。
 前田宏一現社長と同行、あいさつに来社した酒井氏は「大好きなブラジルに再び、勤務できるのは本当にうれしい。二度のペルー勤務を入れると南米歴は十三年。海外畑が長いが今回は自分のホーム・グラウンドに帰って来たような気持ち」と語る。
 「市場規模が伸びているブラジルは、大きな魅力を秘めたマーケット。ブラジル国内の開発はもちろん、ラテンアメリカやメキシコ市場開拓などに力を入れたい。どんどん投資を考えている」と意気込む。
 これに対し、執行役員中国本部長に栄転する前田氏は、「一年の勤務でしたが、売上も伸びて楽しく仕事ができた。優秀な従業員が多く勤務しており、会社が大きくなる確信が持てた」と振り返る。また、「日系人がリーダーシップを発揮してくれている。商品開発が軌道に乗って来ており、うまくバトンタッチできるのがうれしい」とも語った。
 酒井氏は前回のブラジル勤務後、二年ごとにパーマネント・ビザの更新に来ているという。ブラジルは「第二の故郷」と言い切るブラキチだ。
 味の素は調味料、粉末ジュースや甘味料などの商品開発・販売を展開。生産の五〇%は世界六十カ国へ輸出する。サンパウロ州内三ヵ所に製造工場を所有、計一千二百人の従業員が働く。