島根県人会=母語で過ごせる外国に感心

7月17日(土)

  会館を訪れた同県出身者四人を安達会長はじめ県人会会員約三十人が、婦人部による手作りのフェイジョアーダや巻き寿司などでもてなした。
 平日だったため仕事を休めず出席できない会員も多かったものの、終始和やかなムードで会は進行、長期に渡る航海を続ける乗組員たちも肩の力を抜いて県人とのひと時を楽しんだ。
 自衛隊というと〃軍人〃のイメージが強く、いかつく冗談も言えない人のように見られがちだが、実際はみんな普通の人。
 「(仕事を終えて)一度陸に上がればくだけますよ」と気さくに話す山田和徳さん(二曹・36)は、五ヵ月間の航海中離れ離れになる妻や子どもが恋しい様子。「子どもは七歳ですから、五ヵ月も経つと身長も伸びて成長してるんでしょうね」。
 音楽隊でサックスを演奏している石飛清司さん(三曹・28)は想像と違う日系社会を目の当たりにして「細々とやっているとばかり思っていたのが、文化みたいにきちんと出来上がっている。それがうれしい」と話した。
 広瀬町出身の宇山慎二さん(三曹・23)は「広瀬町が合併して安来市になりました」と地元のニュースを報告。同町出身の一世と地元の話に花を咲かせ、「ブラジルでは日本語で生きていけるんですねぇ」と感心していた。
 初めての海外経験となる川本圭造さん(士長・28)は、久しぶりに日本らしさに触れてホッとしたという。「日本語を話し、鳥居や日本語の看板を見ると落ち着きますね」。
 前日にサントスでの歓迎会に出席した安達会長は乗組員のきりっとした礼儀正さや規律正さに感服。「一番大切なこと。日本人の原点・武士道に繋がるものがある」と語った。
 参加した会員は「故郷のことを聞いてみました。まだ若いからあまり詳しいことは知らないようで少し残念。でもおもしろかったです」と話した。