神内氏の名前、大きく=日伯友好病院=露骨?批判の声も=援協 11億円の寄付に感謝

7月20日(火)

  「これじゃ日伯友好病院じゃなくて神内病院?」と憤る声が、読者から寄せられた。ドゥトラ街道側に一ヵ月ほど前、写真のような大看板が立てられたことから、この批判が上がった。中には「元々はコロニアの浄財を集めて建設した病院なのに、まるで〃売った〃かのようだ」という厳しい声まで聞こえてくる。

 運営するサンパウロ日伯援護協会の山下忠男事務局長によれば、「あれは病院全体の看板ではなく、神内病棟と、八月一日に開所する神内医療総合センターの看板なんです」とのこと。病院本来の看板は正門側からしか見えない。
 九七年に建設された神内病棟は五億三千万円全額を、プロミスの神内良一名誉会長(援協名誉会長)が寄付した。ブラジルでは寄付者の名前を建物名にする習慣があり、「神内病棟」と命名された。
 神内病棟には元々看板があったが、その続きに新センターを増築したのを機に一ヵ月前に作り直した。「前からR.JINNAIの字はあったが小さすぎて見えないという声もあり、役員会で話し合った結果、感謝の気持ちを込めて大きくすることに」と説明する。
 この新センターも一千万レアルの総工費のうち、三百五十万レアルは同氏の寄付だ。今までに援協施設全体に寄付した総額は十一億円近い。「日本にお金持ち多しと言えど、実際に寄付してくれる人は少ない」と山下事務局長。
 神内氏の寄付無くしては新病棟も新センター建設もなかった。それを享受するのは移民や日系人自身であり、その意味で、コロニアへの貢献大であることは間違いない。「露骨だと言われようが、看板一つで寄付してくれるなら、うちなんか喜んで幾つでも立てるよ」とは、さる日系団体幹部の声。