ブラジル剣道界は=南米のリーダーに=日本から指導団、語る

7月20日(火)

  全日本剣道連盟(武安義光会長)の剣道・居合道巡回指導団(福本修二団長)が十五日、来伯した。十七日までサンパウロ市のベイビー・バリオーニ体育館で講習会を実施、十八日は同体育館で行われた南米剣道大会を視察した。
 来社した福本団長は「剣道を通して自分の精神を磨くことに力を入れて欲しい。それには(剣道の型である)剣の理法を正しく理解し、それを追及する姿勢が大切だ」と語り、「しかし、最近では競技の勝負ばかり重要視する風潮がある」と現状を危惧。
 ブラジルの剣道については、「戦後早くから復活しており、質の高い剣の理法が伝えられている」。今回の講習で、その質をさらに向上させ、「南米におけるリーダーとしての意識をもっと高めて欲しい」と思いを語った。
 また、ブラジル剣道連盟の山田レナート会長は「現在ブラジルでは増加する剣道競技人口に対し、指導者が不足している傾向にある」とし、指導団のアドバイスに期待を寄せた。
 南米剣道大会には、オランダ自治領アルバと、コロンビア、エクアドル、ペルー、チリ、ブラジルの五ヵ国から総勢三百五十人が参加した。
 巡回指導団の来伯は国際交流基金が助成、一行は十九日、アルゼンチンに向け出発した。その後はチリへ向かうという。帰国は二十七日の予定。