弾みがついた日本文化紹介=ジャカレイ農工祭りに30万人

7月21日(水)

  サンパウロ州ジャカレイ市で去る九日から十八日まで挙行された、第二十二回FAPIJA(農工祭り)会場での日本文化紹介が、例年にないほどの脚光を浴びた。今年は初めて在サンパウロ日本総領事館の協力を得て、日本の伝統建築物(模型)や浮世絵や現代日本を紹介するポスターなどが展示された。普段は日本文化に触れる機会の少ない都市近郊の人々が展示会場を訪れ賑わいを見せた。
 ジャカレイ日伯文化体育協会(宮田ウリエル会長)の女性会員による生け花や陶器の展示も注目を集めた。会場入口で文協老人クラブ会員たちが筆ですらすらとタンザクに字を書く姿が、特に子供たちの関心を呼び、自分の名前を書いたタンザクを求める来場者がつめかけて、会員たちがゆっくり食事をする時間も取れないほどの多忙さをきわめた。日本文化の人気の秘密は作品の〃繊細さ〃にあった(文協関係者談)ようだ。
 日系農家が育てた色とりどりの蘭や盆栽、コチア農業学校と近在の小農家が栽培した無農薬野菜、なども展示即売され、好評だった。
 今年のFAPIJAには十日間で約三十万人が入場したが、会場の大通りに面した文協の日本食堂ではヤキソバ、ヤキトリ、ドラ焼き、巻き寿司、ギョウザ、刺身など、準備した食べ物がすべて売り切れた。ヤキソバ・ドラ焼き・巻き寿司・ギョウザの具、ヤキトリのたれ、などはすべて手づくりだ。
 青年部は紺地の法被、婦人部は赤地のエプロン、成人男子は白地の法被、この組み合わせは見た目にも美しく、動く日本文化の紹介となった。
 港輝子婦人部長(大阪府出身)は「私たちは今まで縁の下でした。でも、今は縁の上に出た気分です。今年は八十人が三交替で参加しました」と婦人部の存在の大きさを誇示した。三世の梅坪セアザ君が会長を勤める青年部は、五十名が二交代で参加し、ジャカレイ文協では世代交代が順調に進んでいる一面が明らかになった。
 二十三年前、ジャカレイ近郊の日系農家が始めたイチゴ祭りがFAPIJAに進化して、日本文化の紹介にも貢献していることは嬉しいかぎりである。

 8月7日にジンギスカン 祭り企画

 宮田ウリエル会長によると、FAPIJAでの収益金はすべて文協の新会館の建設費に活用される。ジャカレイ文協は、会員の寄付金で購入した約二万八千平方メートルの土地を市内ヅットラ街道の近くに所有している。
 この土地に新会館の基礎工事が始まったのは二年前の一月十六日だ。二年半後の今年七月現在、まだ完成していないが、活用できるまでに工事が進んでいる。更なる資金捻出を行うため、文協はこの新会館で八月七日(土)午後六時から「ジンギスカン鍋」会を行うことを決定した。
 ブラジル人好みの企画とあって、すでに予約が舞い込んでいるため、コロニアの参加希望者は予約を急いで欲しい、と呼びかけている。電話:ジャカレイ文協OXX-12-3956-1488、宮田会長宅:OXX-12-3951-1962。