コラム 樹海

 算数が苦手の子供は昔から多いし、理科はもっともっと嫌いという中学生もいっぱいいる。小・中学校生徒らのあまりの理数離れには文部科学省もびっくり仰天しているらしい。ノーベル賞を受けた大先生にお願いして「理科を面白く」の教室を開いたりとお役人たちは汗水を流している。この特別教室は人気も高いし好評なのだが、それでも全国的に見れば期待するような効果は上がらないそうだ▼遯生なども算数は大いに不得手だし、理科という科目を耳にしただけで頭が痛くなる。どうしてなのかは未だに解らないけれども、とにかく勉強をしなかったのは覚えている。これからは先端工業や高度な知識を詰め込んだような情報を自由自在に使いこなせることが不可欠というのに―である。これには算数と理科の知識が絶対に必要だし、もう好きの嫌いのでは通らない▼中高生が数学の難問に挑む国際的試験では、二人が金賞、四人が銀賞を獲得してはいるが、日本チームとなると八位であり寂しい。江戸の頃には関孝和という数学の大巨人が活躍し、その理論は今でも高く評価される。戦後では岡潔という数学者が金字塔を打ち立てている。確か笠智衆が主演し飄々たる岡潔像を演じて人気となったが、岡潔のエッセイは抜群に面白いのだが、解らないこともたくさんあった▼こうしたご両人には及ばないにしても、もうすこしは頑張りたい。文科省でその応援策として数学と理科の教師は大学院修士課程を卒業の者に限るとするそうだが、この奇策が起死回生の一打となるといいのだが―。 (遯)

04/07/22