「山くらげ」ブラジル初お目見え=グァタパラ産、異名〃畑のひじき〃 珍味の健康食材=秋田県人会が日本祭りで料理を紹介

7月23日(金)

  「山くらげ」は「海のくらげ」とも「木くらげ」とも違う栄養たっぷりの、畑で採れる野菜だ。海草のひじきに対比して〃畑のひじき〃とも呼ばれる健康食材。去る十一日、グァタパラ移住地で行われた入植四十二周年記念祭で初めて公開された。サンパウロでは、きょう二十三日からイビラプエラの州議会議事堂駐車場で開催される日本祭り〃食の広場〃で初お目見えする。
 料理をするとコリコリと舌ざわりが良く、深い味わいとなる珍味の一種だ。この野菜を同移住地で栽培に成功したのは茨城県出身の池津勝治さん。二年前訪日した時に、知人から土産にもらった山くらげの煮付けの味が忘れられず、グァタパラに戻ってから、郷里の茨城県に嫁いでいる娘に種子を送ってもらった。
 レタスの系統で原種のようなので、昨年は種子を採取し、今年はその種子を約二反歩に植えた。そして、入植祭で来訪者に初公開した。
 インターネット情報によると、中国では三百年も前から食されていたという。日本で商品化されたのは二~三年前なので歴史は浅い。ブラジルでこの栽培に成功したのは池津さんが初めてであろう。
 そのことを知った秋田県人会(石川準二会長)がすぐに行動し、池津さんから乾燥山くらげを購入。これを料理して、日本まつり会場で〃専売公開〃することになった。同じ茨城県出身の川上淳グァタパラ農事文化体育協会会長は「秋田県人会に山くらげを宣伝していただけるのは本当に嬉しい。グァタパラ移住地の特産物として栽培を普及し、村おこしによる活性化につなげていきたい」と抱負を述べている。
 どのような料理となって登場するのか不明ながら、「山くらげ」がきょう(二十三日)から始まる日本祭りの新しい名物食品として評判を呼びそうだ。