サンバ踊り交流深める=サンパウロ・大阪姉妹都市35年=懇談会盛り上がり=歌手、企業家らが表敬来伯

7月28日(水)

  サンパウロ市と大阪市の姉妹都市提携三十五周年を記念して二十四日、民間の表敬訪問団(宮本一団長、団員二十八人)が来伯した。訪問団は日本祭りや移民史料館などを見学、リベルダーデ区のホテルで開かれたサンパウロ・大阪姉妹都市委員会(高木ラウル委員長)主催の懇談会に出席するなど、地元関係者との交流を深めた。同行した大阪市役所の木村勇・国際交流担当部長は、「六九年からの歴史を引き継ぎ、今まで以上に姉妹関係を活性化させていきたい」と語る。

 宮本団長は関西国際空港の会長。団員には会社会長・役員などの企業家が目立った。ブラジルの福祉施設に対し寄付など支援活動を続ける歌手の高丸真理さんもメンバーに含まれた。
 木村国際交流担当部長は来伯後、訪問団とは別行動で二十六日、サンパウロ市役所にヤコブセン国際部長を表敬訪問した。「文化や、スポーツ、人的交流を続けてきて三十五年。〇二年三月にマルタ市長の経済ミッション一行が大阪市を訪問、その時、ゴミ処理場を見学したことをきっかけに、〇四年二月、大阪から調査団一行五名がサンパウロ市のゴミ処理場を視察した」などと最近の交流を振り返った。
 今後の予定についても触れ、「次回のサンパウロ日本語スピーチ・コンテスト(ブラジル日本語センター主催、国際交流基金後援)の入賞者の中から一名を選び、三週間ほど大阪市のホーム・ステイ先での研修してもらうことになっている」と語った。
 二十四日に東洋人街、日本祭りなどを見学した訪問団は二十六日、地元姉妹都市委員会関係者との懇談会に出席。当日はサンパウロ市議会からウィリアム・ウー、羽藤ジョージの両市議が顔を見せたほか、サンパウロ総領事館の佐藤宗一首席領事、野村丈吾元連邦下議、日本語センターの谷広海所長、国際交流基金サンパウロ日本文化センターの吉井弘所長、JICAサンパウロM支所の石橋隆介次長、県連の中沢宏一会長ら七十人以上が集まった。
 高木委員長の開会あいさつ後、宮本団長は関西国際空港会長としての立場から、「関西とブラジルの交流のためにサンパウロ―関空直航便を飛ばしたいと思っている」と述べ、そのためにも「日系の皆さんに頑張っていただかなければ」と、出席した地元関係者を激励した。
 続いて佐藤首席領事が祝辞。「わたしは福島県出身ですが、親せきが大阪で働いており、子どもの頃から大阪に親しみを持っています。阪神タイガースだけは例外ですが……。これからもぜひ草の根レベルでの交流を深めてください」などと述べた。
 また、会の途中で交流の掛け橋として活躍してきた木村さんに対しサンパウロ市議会から記念の盾が贈呈された。会食が一段落した頃、サンバの生演奏、カーニバルさながらのダンスショーがあり、ブラジルらしいもてなしに出席者は大喜び。ダンサーの誘いに応えて一緒に腰を回したり音楽に体を揺らしたりと、関西人ならではのノリの良さで会場は大いに盛り上がった。
 訪問団の一員によるハーモニカ演奏、歌手の高丸さんの歌声に合わせ唱歌『ふるさと』などを合唱、終了と共に大きな拍手が起こった。最後は全員で記念写真を撮り、思い思いに握手やあいさつを交わして散会した。