日系の農業離れに歯止めを=アセル農産品評会44回目

7月30日(金)

  [ロンドリーナ、既報関連]日系社会の不活性同様、農家の後継ぎ不足も深刻――なんとか歯止めをかけよう、とするのが、当地のアセル(ロンドリーナ日伯文化体育協会)農産品評会。ことし四十四回目。「2004カーザ・ジャポン」の大きな部分を占める。去る二日から十一日まで市内セントロ・デ・エスポジソンエス・エ・イヴェントスで開催された。主催者自身の評価は「成功」。加藤啓実行委員の適切な指導、田村ジャイロさんの惜しみない協力が特筆されるという。
 地元はじめ、グアラベーラ、ルビアッセ、カンベー、イビポラン、アサイ、ウライ、タマラナなどから、六百人(うち非日系人一〇%)が、三千点におよぶ農業関連生産物を出品した。旬(しゅん)の柑橘はじめ、果物、野菜全般、花、盆栽などであった。
 各部門で公正な審査が行われ、綜合一位ムラカミ・タカシさん(グアラベーラ)、二位サトウ・ヤスアキさん(同)、三位タカシ・ナオヒコさん(ルビアッセ)が上位入賞した。参加した全生産者に記念品が贈られた。サンパウロ州からは蘭栽培者の特別出品があった。
 アセルは、農産品評会を「品種改良による成果・新種、高品質生産物の発表の場」としている。写真は品評会会場に車椅子で現れた笠戸丸移民生存者の中川トミさん(最前列)と右から二人目がさきに日本政府から叙勲された農業技師の間嶋正典さん。左端はトミさんの甥、浪曲の中川芳月さん。(中川芳則通信員)