〝リンゴの里〟が30周年=SC州サンジョアキン=元知事ら千三百人が参列=「後沢憲志章」創設し顕彰

7月31日(土)

  〃リンゴの里〃が三十周年――。サンタカタリーナ州のサンジョアキン文化体育協会(佐藤ラウロ俊彦会長兼祭典実行委員長)主催の入植三十年記念祝典が二十四、二十五の両日にわたり盛大に行われた。州内を中心に約千三百人が慶祝に訪れた。一九七四年にコチア産業組合中央会によって始められたリンゴ団地造成。「石は動かせても、気候は動かせない」という後沢憲志博士の言葉に従って、石山の寒冷地にかじりつき、栽培を成功させた入植者の苦労は人並みではなかった。参列者らはその遺徳を偲び、先人の労苦に想いを馳せた。

 二十四日は十一時半からサンジョアキン市営パルケ・ナショナル・デ・マッサン展示会場で式典が行われた。地元生まれのジャーナリスト、大槻アンデルソンさん(四世)の司会によって式典は進められた。まず、大型スクリーンで三十年の歩みと日本文化が紹介され、続いて佐藤祭典実行委員長が挨拶、長島浩平在ポルト・アレグレ総領事が祝辞を述べた。
 これには、ルイス・エンリッケ・ダ・ジルヴェイラ州知事及びイヴォ・シルベイラ、コロンボ・マッセード、エンリッキ・エロインらの元知事三人も駆けつけ、サンジョアキンのニュートン・エステーリョ市長らと顔を並べた。
 さらに、大塚耕智JICAブラジル事務所代表、尾中弘孝ラーモス日伯文化協会会長、ニッポ・カタリネンセ協会の新里ヨシカズ会長、野瀬カーロス元サンタカタリーナ裁判所判事、小川和己ラーモス文協元会長らの来賓を始め、約千三百人が会場を埋めた。
 次に、「後沢憲志章」の伝達が行われ、三人の同元知事とリンゴ栽培の先駆者、細井健志さん、平上弘康さん、及び鈴川行治農業技師らに同章が伝達され、盛んな拍手が贈られ、その功績が称えられた。この章は今年、同協会によって制定されたもの。後沢憲志さんはサンジョアキンのリンゴ栽培で功績を残した農学博士だ。
 二日目の二十四日は午前九時からサンジョアキン中央教会でエルペルジョン・アミン前知事を迎え、入植三十周年記念とブレビオ・オセラメ神父在籍五十周年謝恩のミサがピスポ・オネレス司祭のもと荘厳に行われた。
 続いて教会前広場でブレビオ神父の胸像モニュメント除幕式が多数の日伯両市民参加のもとに行われ、〃リンゴの里〃サンジョアキンの繁栄の喜びを分かち合った。