★阪本真理子さん――3大陸を走破したランナー=次はサントスからリマまで=5千3百キロをマラソン= 移住地巡って約100日の旅

8月7日(土)

  百年近く前から日本人が移住を開始して住み着いたブラジル、そしてボリビア、ペルーをこの足で旅をしながら見つめたい――。オーストラリア、北アメリカ、ヨーロッパの三大陸をマラソンで横断するという離れ業を成し遂げた阪本真理子さん(57、奈良)が、次の「夢実現」の舞台として南米大陸を選んだ。
 「トランス・サウス・アメリカ二〇〇四~南米移民街道走り旅五三〇〇キロ」だ。阪本さんは八月末か九月初めにペルー入りし、約二十日間かけてサンパウロまでコースの下見を行う。サンパウロ市到着は九月末となる見通し。
 本番は一日五十キロを目安に約百日かけて下見した道を戻る。スタート地点はサントスが予定されている。多くの移民同様、ここから旅立つ計画だ。
 阪本さんは「日系の方たちの現地での生活、文化、習慣に少しでも触れる事ができれば大変嬉しいです」と地元日系人との交流を期待しており、コースもなるべく日本人移住地を通るよう計画している。
 ブラジル~ボリビア間はサントス、チエテ、バウルー、マリリア、トゥパンと移民縁の土地を通りカンポ・グランデ、コルンバと、ボリビアへ抜けるコース案などが上がっている。終点はペルーのリマだ。
 アシスタントとして、伴走するのは関根孝二さん(五五生まれ、埼玉)。九七年、阪本さんの「オーストラリア夢大陸横断四二〇〇キロ」を七十七日間に渡り一人でサポートして以来、北アメリカ、ヨーロッパを共に走ってきた。
 阪本さんは、大陸横断のような超長距離を走るウルトラマラソンを十五年間続けてきた。
 〇三年の「トランスヨーロッパ・フットレース」は大会参加者四十三人のうち、完走したのは二十二人。阪本さんは五千百キロを六十四日かけ、女性で唯一完走した。
 ウルトラマラソンは速さを競うものではない。自分のペースで走ることが何よりも重要となる。
 昨年八月に朝日新聞で一頁さいて紹介された。そこには「速い人が素晴らしくて、遅い人は劣っているという誤解をしている人が多い。人それぞれいろんな目標を持っている。突き詰めれば、走ることは手段であって、本当の目的は楽しむことなんじゃないかな」という阪本さんの言葉も。
 現在「日本百マイルクラブ」代表。日本盲人マラソン協会大阪支部長として盲人ランナーの伴走者を行うなど、マラソン界への貢献が認められ〇三年には「ランナーズ賞」を受賞した。
 本紙にEメールで「皆様の元気な笑顔と、逞しい力に出会える事を楽しみに私達は、この南米大陸走り旅を実行したいと思います」と送信し、今回の旅への期待を膨らませている。