将棋、少年名人誕生=ミナス浜公志郎君16歳=10代のタイトル獲得初めて=「新時代の到来」関係者大喜び

8月24日(火)

 ブラジル日系コロニアに、史上最年少の将棋名人が生まれた。第五十七回全伯将棋名人戦(ブラジル将棋連盟主催、中田定和会長)が二十二日、サンパウロ市リベルダーデ区の同連盟であり、浜公志郎君(16、ミナス州サンジョアキン・デ・ビッカ市在住)が優勝した。十代の少年がタイトルを獲得するのは、初めてだという。四段戦では、弟の拓馬君(14)が優勝して五段に昇段。今後四大棋聖で、浜兄弟によるタイトル争いが実現する可能性も出てきた。「新時代の到来だ」と関係者は、若手の活躍を喜んでいる。
 この日は、カラオケ大会などと日系コロニアの行事が重なったこともあり、参加者数は八十八人。三桁を割った。しかし、五段以上の「名人戦」には約二十五人も集まり、例年に比べて厳しい戦いになった。
 公志郎君は危なげなく決勝に駒を進め、高島ロベルトさん(50、ベレーン)とタイトルを争った。対局は終始、公志郎君のペースで運び、優勝が決まった瞬間、表情が緩んで白い歯がこぼれた。「うれしい」。
 弟の拓馬君も健闘、四段戦をものにした。五段への昇段が決まり、タイトル戦の出場資格を得た。関係者は「高齢化に悩んでいた会にも、新しい時代がきた。若い人の活躍に期待が出来そうだ」と話していた。
 各カテゴリーの優勝者は次の通り。【名人戦】浜公志郎。【四段戦】浜拓馬【三段戦】天野富三。【二段戦】井関正男。【初段・段外】桑木勝守。敬称略。天野さん、井関さん、桑木さんもそれぞれ昇段した。