コラム 樹海

 国際少年(十歳~十二歳クラス)野球大会がある、とイビウーナの野球部長が来社して極めてあっさり言う。近年、国際大会を簡単にやってのけている。先週、日本、ペルー、メキシコの有志チームが、聖南西地方にやって来た。ピラル・ド・スルでホームステイをやった、と、これまた至極当たり前のように、何ら難しいことなどないかのように受け入れている▼国際野球大会開催は、一つの国際交流だが、実施に際し、肩に力がはいっていない。ひんぱんにやれば、珍しさが薄まって、観衆もそんなに集まらないだろうに、さしてそれを気にしているようでもない。そんなに観衆など要らない、とはいわないが、まあ、こだわっていない▼六〇年代の半ば、全伯少年野球選手権大会をパウリスタ新聞が主催していた。主催者としての世話、というか準備は簡単ではなかった。予選を勝ち抜いたチームが奥地からサンパウロ市に出て来るのだって、悲壮とまでいかなかったが、旅費を含め、支出、その他の気苦労はたいへんだったはずだ。そのころ、まだ一世の指導者というのが多かった。隔世の感、といえば、ジジムサイといわれそうである▼いま日本は豊かだから、訪伯旅費調達の面ではそんなに苦労はしないのだろう。かわいい(十歳の)子に旅させろ、というほどの力みも見えない。あっさり来伯する。主催側も淡々と迎える。こういうのが「グロバリゼーション」(地球的規模化)なのだろうか、と少し納得しているところだ。(神)

04/08/25