劇場の舞台に茶室空間=裏千家50周年最後のイベント

8月26日(木)

 ブラジルでの締め括り――。茶道裏千家ブラジルセンター(林宗慶代表)は、ブラジル茶道裏千家五十周年記念行事のブラジルでのイベントの最後を飾る「日本文化への誘い」を、二十三日午後八時からピニェイロス・クラブ劇場で開催した。
 同センターのほか、ブラジルいけ花協会、ブラジル書道愛好会、二天武道研究所、歌誌「椰子樹」、USP日文研茶道グループが協力。劇場の舞台でそれぞれの日本文化をナレーションで紹介、実演した。
 受け付けで渡されたプログラムの表紙は、茶室へと通じる露地の敷石。招待客を「日本文化の世界」へと誘う。
 真っ暗な舞台に浮かび上がった茶室に、和装の亭主と客が座っている。プログラム第一部一幕、同センターによる「仏、能、茶、花、香のデモンストレーション」だ。
 亭主が客に濃茶をふるまう茶事の一連の流れを同センターのメンバーがデモンストレーション。林宗慶代表自らが亭主となって茶を点てた。
 鈴虫の音色や添水の音など、様々な音色や音楽を使い、茶室の趣ある空間を再現した。
 二幕の「茶の湯―員茶」も同センターによるプログラム。員茶は、生徒の増加により、一人の師匠に対して一人の生徒の稽古では間に合わなくなったために考案されたグループ稽古の一つ。
 八人が札を引いて役を決め、順々に役を交替していく。一幕と同様、茶室のセットを用いて実演した。
 三幕以降は、そのほかの日本文化団体による実演。いけ花は「立て花」から「立華」、「釣花」、「盛花」などへ時代とともに形式が変遷していく様を表現した。
 書道は「飛」の文字を篆書、草書など四種の書体で書き、墨絵も披露。武道は木刀、薙刀などを用いて大声を張り上げながらの実演を見せた。和歌は移民の心情を表す代表歌を三味線の音曲に合わせて歌い上げた。
 茶道裏千家五十周年記念推進委員会のエリソン・トンプソン・デ・リマ・ジュニオル委員長が挨拶。USP茶道グループが招待客のうち二十人を立礼(椅子点前)でもてなして、すべてのプログラムが終了した。