砂浜でソフトボール=観光客誘致も狙い=ベルチオーガで大会

8月26日(木)

 砂浜でプレーするソフトボール、ソフトビーチ(男子)の第一回大会が二十八、二十九の二日間、サンパウロ州ベルチオーガ市のインスィアーダ海岸で行われる。
 大会にはサンパウロ州内から八チームが参加。サンパウロ野球連盟(沢里オリヴィオ会長)が主催、全日空、ベルチオーガ市、同市のシーフラワーホテル、ニッケイ新聞社が協賛する。十七日には同市のマンフレッド・ゼッフェ観光局長と沢里会長との間で開催の最終確認、会場となる海岸の下見が行われた。
 「ソフトビーチ」とは同連盟が作った造語。「ソフトボールは非日系人にはあまり知られていません。面白さを伝えるため、ルールはもっと単純にしています」と同連盟の藤本マサ理事。ボールも通常より柔らかいものを使用する。
 沢里会長は「市をあげて協力してくれるのだから、この機会を利用してソフトボールの魅力を伝えたい」と意気込む。
 ベルチオーガの市政開始は一九九一年と新しく、また市の九割近くが環境保護対象区。工業・農業の発展が見込めないことから、主要産業として観光業に力を入れている。
 ただ、夏の間は海水浴を目当てに観光客が多く訪れるがそれ以外の期間は釣りの客以外は少ない。そこで観光客誘致を狙い、同市では年間を通し様々なイベントを実施している。インヂオ祭りから、エビ祭り、日系人の少ない街にもかかわらず日本祭りまである。
 今回のソフトビーチ大会に同市が積極的に協力する理由の一つにはこうした背景がある。成果次第では来年以降、同市のイベントカレンダーにソフトビーチ大会を載せる意向だという。
 サンパウロ野球連盟と同市関係者とを引き合わせたのは、大会参加者が宿泊するシーフラワーホテルの経営者、吉良源志(きらもとし)さん。観光客を集めることはホテルの利益にもなると考えた。
 昨年十一月ごろ同市に移住、ホテル経営を始めたのは今年の三月から。「ずっとやりたいと思っていた仕事だった。もう一度仕切りなおそうと思って」。旅行社勤め、庭師、レストランの店員、酪農家…と仕事を変えてきた経緯がある。
 どうしてベルチオーガを選んだのか。吉良さんは「新しい街にはチャンスがある」と、目を輝かせた。