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4世への査証発給=聖総領事館、慎重に対応=就労を防ぐ狙いも=旅行社ら「冷たい」と不満=入管法の改定訴える

8月27日(金)

 四世への査証発給に当り、サンパウロ総領事館の対応が慎重になっている。日本の学校への入学証明書などが揃えば、ほぼ問題なく渡航を許可されるが、総領事館が目を光らせるのは、デカセギとして就労を狙っていると疑われるケース。出入国管理及び難民認定法では、四世の日本での労働は禁じられているからだ。ただ、日本にいる三世の親が子供を呼び寄せたいと考えている場合。「子供はすでにブラジルで義務教育を終え、日本で勉強するつもりはない。家族一緒に日本で住みたいだけ」と主張する三世は、現在の入管法や、総領事館の対応に不満を漏らす。一人でも多くの日系人を日本に送りたいデカセギを扱う旅行社も、制度の改定を訴える。
 同総領事館の〇二年度の最終統計では、日本への査証発給数は二万四千九百七十九件(観光目的を含む)。うち四世に発給された査証の占める割合がごくわずかだと、二十一日付けインターナショナル・プレス紙は指摘する。
 査証班の担当者は「二十歳以下の四世ならば、労働するための訪日ではないことが明らかで、日本での就学と、ブラジルに保護者がいない証明書があればよい」と、四世がビザ取得に必要な条件を説明する。申し込みの際には、学歴や、親の納税証明書も一緒に提出することになる。
 これに対し、ブラジル日系旅行社協会(ABAN)の松田明代表はいう。「査証担当領事が交代するごとに、審査基準が変わる。就任した領事次第で決められていいものか」
 松田さんの旅行社で働く査証担当者も過去の経験から総領事館の対応には不満がある。「三世の両親がすでに日本に住んでおり、ブラジルの祖母に預けていた十六歳の娘さんを呼び寄せるため、申請したところ、領事館担当者から、両親が頻繁に娘に会う必要があるのなら、ブラジルに帰ってきたら、と冷たくあしらわれた」と語る。
 他旅行社の社員によれば、「やはり実際に、十六歳から二十歳までの青少年の査証取得は複雑で難しい。十四歳以下は比較的容易なのだが…。日本で働くために申請していると総領事館側は予め疑っているようだ」
 こうした旅行社の見方について、総領事館の担当者は、「必要書類が揃っていれば、一週間以内で査証は発給可能。二回目からはスムーズに再発行され、その後は三年おきの更新が必要で、成人後も日本に滞在できる」と説明している。
 それでも、納得のいかない三世の女性は、インターナショナル・プレス紙のインタビューに対しこう主張する。「二年間日本で働いていた。もうこれ以上、義務教育を終えた十六歳と十七歳の子供たちと離れて暮らすのは耐えられない」。子供二人の査証を申請してしばらく経つが、「いまだに発給されないのはおかしい。どういうことでしょうか」と声を荒らげる。「子供たちは日本で勉強するつもりもない。なのに、学校の入学証明書をとらなければ、一緒に暮らせないのは腹立たしい限り」
 現在の出入国管理及び難民認定法が改定されない限り、四世の査証問題をめぐる関係当事者の思惑は平行線を辿るばかりのようだ。

 

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