年末帰国のデカセギ=過去5年で最高予想=滞在期間は短縮傾向に=定住化、休暇も日本式

9月1日(水)

 今年の年末をブラジルで過ごすデカセギの数は、過去五年間で最も多いと予想されている。背景には、昨年の米国ビザ問題で多くが帰国を見合わせたことがある。ただ、これまでのように数ヵ月間の休暇を取るのでなく、滞在の相場は一週間前後。出来るだけ早めの職場復帰を心がけているようだ。一方、ブラジルから日本に家族を呼び寄せ一緒に過ごすケースも増えており、定住化傾向にあるデカセギたちの姿が、年に一回のフェリアス(長期休暇)にも透けて見える。
  日本で働くデカセギの年末帰国事情を特集した八月二十八日付インターナショナル・プレス紙は、「二年置きの帰国が、いまでは四、五年置きに帰国する風潮にある」と指摘。
 名古屋にあるツニブラ旅行社の営業部長は紙面で、「最近は働いている会社のカレンダーに合わせて、帰国するので、長い休みは取れない」と説明する。
 また、「ブラジルで休暇を過ごすより、ブラジルから呼び寄せて、日本で一緒に休暇を過ごすケースも目立っている」とも。
 この年末、日本から米国へ入国する人の数は推定十万人。うち四千人が、米国経由のブラジル行きと見積もられ、「年末のヴァリグ便はすでに満席で、キャンセル待ちの状態。JAL便は少し残っているが……」。早めの予約を促す。
 人気の航空会社は、三十二キロの荷物二個が無料で持ち込める米国経由のデルタ、アメリカン、コンチネンタルの各航空。米国経由以外では、ルフトハンザとキャセイ・パシフィック航空の利用者が多い。
 中でも注目株はキャセイ。「名古屋―台北―ホンコン(一時間三十分待ち)―ヨハネスブルグ(三時間三十分待ち)―サンパウロと、三十四時間かかる便になるが、機内食の評判は随一で、サービスは五ツ星」という。