日系社会の能力=重要性実感した=佐藤首席領事が帰国

9月1日(水)

 日系社会の皆さんと知り合えたのが最大の収穫――。サンパウロ総領事館の佐藤宗一首席領事(55)が八月三十一日、帰国挨拶のためニッケイ新聞社を訪問。二年半に渡った任期を振り返り「日系社会と身近に接したことで、改めて日本にとっての日系社会の重要性が分かった」と話した。
 東京外国語大学卒業後、一九七四年に外務省入りした佐藤首席領事は、七七年に語学研修で来伯して以来、五度目のブラジル勤務。通算の滞在期間は今回の勤務を含めると十七年半で、外務省有数のブラジル通。二〇〇二年からのサンパウロ総領事館勤務では、首席領事というもともあり数々の日系社会のイベントなどに来賓として出席。気さくな人柄と、流暢なポルトガル語で関係者にも好評だった。
 八月二十日付けで辞令を受けた佐藤首席領事。今回の勤務の前には、ベレンで三年、ドミニカ共和国で二年過ごしていたため、外務省本省での勤務は実に七年ぶりとなる。
 「個人的にはサンパウロに日系人の存在をアピールした昨年の戦後移民五十周年式典が印象に残っています」。文協改革委員会など様々な場面で日系人との接点を持ってきた今回の任期中に改めて日系社会の重要性と潜在能力を実感したという。
 また四年後に控えた移民百周年についても「日系社会が一致団結することが不可欠。次の百年を見通す絶好の機会になるはずです」とブラジル通ならではの、熱い想いを語る。
 佐藤首席領事の帰国は九月中旬で、後任の首席領事は九月末に着任予定。