検挙件数7割増し過去最悪のペース=上半期在日ブラジル人犯罪=警察庁発表=三千件超える

9月7日(火)

  今年上半期の在日ブラジル人の検挙件数は前年比で7割増し、検挙人員は2割増しという最悪の数字となっていることが、8月に警察庁が発表した『平成16年上半期の犯罪情勢』から分かった。万が一、このままの勢いで増加すれば、年末までに検挙件数、検挙人員ともに過去最悪の数字となるとの計算も。昨年は一昨年よりも1割ほど検挙件数が減少するなど安心材料があったが、今年は不名誉な記録を更新する可能性が出てきたようだ。
 今年1―6月に警察が摘発した来日外国人は、検挙件数で1万7162件、検挙人員で4269人だったことが、警察庁のまとめで分かった。過去最多だった昨年上半期に比べ、検挙件数で4650件(37・2%)、人員で251人(6・25%)増加。なかでも、ブラジル人は件数で1238件(69・7%)、人員で88人(20・8%)も増加しており、その牽引車となっている。
 ブラジル人の検挙件数で過去最悪だったのは1999年の5110件で、00年は3273件、01年は3457件、02年は4967件、03年は4520件という具合に増減している。昨年上半期は1777件で、今年上半期は3015件。このままのペースで年末まで続けば過去最悪の6000件を超える。
 検挙人員は01年に958人、02年に952人、昨年は過去最悪の1005人(上半期だけで423人)だった。今年上半期は、すでに511人と昨年を大きく上回るペースで進んでおり、検挙人員でも不名誉な記録を打ちたてる可能性がでてきた。
 上半期の総検挙件数1万7162件中最大なのは中国で5891件、全体の34・3%を占める。続いてトルコが5580件(32・5%)。三位がブラジルで3015件(17・6%)、四位韓国と続く。検挙人員では増数4269人中約半数の2173人(50・9%)が中国で、二位がブラジルの511人(12%)、三位が韓国303人(7・1%)となっている。