大躍進したサンパウロ市議選挙=過去最多に並ぶ4人=100周年に向けて協力を=モジでは安部市長圧勝

10月5日(火)

 三日に行われた地方統一選で、サンパウロ市市議には四人の日系人が選ばれ、過去最多にならぶ好成績を残した。ウイリアム・ウー市議は堂々の四万五千票を集め、余裕の当選。六期連続を目指していた羽藤ジョージ市議も二万八千票だった。注目のモジ市では、安部順二市長が五五%を超える得票率で圧勝し、一次選挙で再選を決めた。残念ながらマリリアでは日系市議はいなくなったが、アチバイア市では小野タカオ市議が十期連続当選するなど、各地で市長・市議が誕生した。
【サンパウロ市議選】
 サンパウロ市市議選(定員五十五人)では前回の二人から、一挙に四人の日系市議が当選、大躍進した。ウイリアム・ウー市議(PSDB)が上位十三位、羽藤ジョージ市議(PMDB)が再選、野村アウレリオ元市議(PV)と神谷牛太郎元市議(PFL)が返り咲いた。
 見事に六期連続当選した羽藤市議は「いやー皆さんの後押しで当選できました。日系市議が四人も誕生したので、移民百周年祭は市議会を動かして周到に盛り上げていきます。また〇二年の州議選で第一補欠になっている自分は、三十一日の市長二次選の結果次第では、州議員への繰り上げ当選の可能性があり、日系のいない州議会にくら替えして、頑張ります」と強調していた。
 野村丈吾元下議は「今までのように、ポスターや宣伝に大金をつぎ込んで当選した時代もあったが、有権者は清潔な選挙をする候補者を選ぶようになった。息子アウレリオの当選は親ばかですが、素直に嬉しいです。また移民百年祭は日系市議が力を合わせて盛り上げてほしい」と語った。
【モジ市長市議選】
 サンパウロ州モジ市の安部順二モジ市長(PSDB)が、五五%(約十万二千七百票)を超える得票率で圧勝、一次投票で再選を果たした。対立候補のルイス・カルロス・ゴルジン・テイシェイラ州議(PL)は三一・八%を獲得したが、安部候補に五万票近い差をつけられ惨敗だった。
 前回の市長選の一次投票では七万票にも達しなかったが、今回は十万票を軽く超えており、四年間の市長としての実績が、得票につながった。
 安部陣営のジュリオ・ノゲイラさんは四日付けモジニュース紙で、「モジ市長としてはジャコブ・ロペスとヴァウデマール・コスタ・ネット元市長が有名だが、安部市長も歴史に名を残す政治家になるでしょう」と述べた。
 再選された安部市長は「この四年間、モジ市民のために一所懸命やってきて、実績も積み重ねてきたので再選は確信していた。選挙予想投票率の世論調査は、あまり気にならなかった」と述べた。「もっと工場誘致を促進し、税収入を増やして下水道の整備、道路の改修や病院増設などに当てる」と二期目の方針を説明した。
 また「今後の四年間は支援してくれたモジ市民のために、政治生命をかけて頑張ります。そして私のモットーは、市民のために最善を尽くすことであり、またそれに生きがいを感じています」と語った。
 モジ市では十六人の市議当選者のうち、コムラ・ペドロ市議(PSDB)が五位、トミヤマ・オリンピオ市議(PTB)が、九位で再選された。
【サンパウロ州地方部市議選】
 サンパウロ市近郊のオザスコ市では二十一議席中、二議席を日系が占めた。父も政治家のヤマト・ファビオ氏(PSDB)が初当選、元オザスコ文協会長のミヤザキ・フミオ市議(PTC)が再選を決めた。
 アチバイア市では小野タカオ市議(PP)が八回目の市議当選を達成し、市長と副市長の二期を含めると十期連続当選を果たした。
 大日系集団地の一つ、マリリア市ではクシカワ・テルアキ氏(PMDB)が立候補したが再選ならず。地元紙は「マリリアから日系コミュニティとつながった候補がいなくなるのは珍しい」とコメントした。
 アラサトゥーバ市議選では、十二人中八位でイケダ・ニーロ氏(PRTB)が再選を決めた。
【パラナ州市長市議選】
 パラナ州都クリチーバ市では原清ルイ市議(PSDB)が三期連続当選。マリンガ市ではホソカワ・マリオさん(PMDB)が四期目の当選。ロンドリーナ市ではカナシロ・ロベルト(PSDB)も四期目の当選を果たした。
 市長選ではパラナヴァイ市のヤマカワ・マウリシオ(PPS)さん、アマポラン市のヤマカワ・フミコ・テレジーニャ(PPS)さん、パラナシティーのヤマモト・マリオ(PMDB)さん、ウライ市のウチムラ・ススムさん八六歳がそれぞれ当選した。