「最後の帝国軍人」を訪問=南マ州に湯沢靖国神社宮司ら

10月7日(木)

 [カンポ・グランデ、南マ州、勝連ひろし通信員]サンパウロ靖国講五十周年の慰霊祭に参列ため、来伯中の靖国神社の湯沢貞宮司と樋口宣徳課長が、三日午後六時、州都カンポ・グランデ近郊バルゼア・アレグレ移住地内の小野田牧場を訪れた。牧場主・小野田寛郎さんと湯沢宮司は、旧知の仲、牧場側はフォゲイラで歓迎の意を表した。
 小野田さんは、七四年、フィリピンのルバング島から「帝国軍人」として帰還した〃真の最後の侍〃である。当時、郷里和歌山では墓もつくられ、靖国神社には何百万の軍人たちと合祀されていたとのことで、神社とのかかわりがあり、湯沢宮司とも親しい間柄であると見受けられた。
 牧場では、一行を親しく迎えるという意味で、日没と同時に高く積み上げられた木の枝に点火、大きなフォゲイラで歓迎ムード満点だった。
 移住地の人たちや、町枝夫人の生け花・草月流の弟子たちが、それぞれの料理を持ち寄り、一行の旅の安全を祈願して、乾杯と万歳三唱が行われた。
 翌日の朝、牧場を見て、午後はカンポ・グランデ市内を観光、あわただしい日程で、午後四時半サンパウロ市向け飛び立った。