松柏・大志万学院=新しい校舎竣工間近=「全人教育」をめざす来月6日開校式=「日本の美徳とブラジルの積極性合わせたい」

10月12日(火)

 松柏学園(川村真倫子園長)と大志万学院(川村真由美実校長、サンパウロ市アクリマソン区フェルディナンド・ガリアニ街1番)の新校舎が、竣工間近だ。机やロッカーなどの機材が次々に教室に持ち込まれ、来月六日の開校式に向け急ピッチで準備が進められている。父兄をはじめ、倫理研究所、日本の篤志家などから多額の寄付が集められて出来た「全人教育」の殿堂だ。
 「自宅にいるように、安心してくつろげる場所にしたい」。新校舎は、胎児(建物)が母体(外塀)の中で保護されている状態をイメージして設計された。
 川村真由実大志万学院校長は教育方針について、こう語る。「一人一人を大切にして、子供たちの可能性を引き出していきたい。規則正しさなど日本の美徳とブラジルのポジティブな面をドッキングさせれば、この国にとって、プラスになるはずです」。
 敷地面積三千三百平方メートル。土地、建物は社団法人・松柏大志万が所有。地階に保育部と幼稚部、一階に大志万小学部、二階に同中学部・松柏学園に入居する。
 現校舎には無い科学室、コンピューター室、図書室、日本間などがつくられて設備が拡大。教職員用の託児室もある。三年~五年後に、高校部を開校させる考えで既に教室を用意。当面、多目的スペースとして使う。地下には、二百人収容可能な講堂もできる。
 川村校長は「果樹園なども整備していきたい」と、校内の緑化にも積極的だ。大志万の生徒数は百三十人から三百人近くに倍増。定員十~十二人を見込む保育部は既に、満員になっている。
 学校の利益の一部は社団法人に回って、運営資金になる。社団法人は教養コースを開設するなどして、地域社会に貢献する予定。
 新校舎の落成を記念して、開校式の翌七日から九日まで、講演会が企画されている。日程、講師は次の通り。聴講は事前の予約が可能。
 七日午後五時=丸山敏秋倫理研究所理事長(人格形成における倫理の重要性)、八日午後七時=イシバシ・テツナリ・東京・玉川学園大学名誉教授(学校教育における全人格形成)、九日午後七時=チバ・イサミ(精神科医・医者、全人格形成の重要性)。
 問い合わせ電話番号=11・3271・1755(エリアーナ)。