県人ネットワーク構築を=在外山口県人会が世界大会へ=5カ国から=山口市で初開催

10月14日(木)

 ブラジル、米国、シンガポールなど九カ国に十六を数える山口県人会。その一部代表らが新たな県人ネットワークを構築しようと十八、十九の両日、山口市で一堂に会す。この「在外山口県人会世界大会」(山口県の主催、外務省と海外日系人協会が後援)は今年初めての催しで、五カ国の九県人会から約七十人が参加。地元の行政、民間団体関係者ら百人を交えて会合し交流を深める。ブラジル山口県文化協会の平中信行会長は「他国の試みや活動を知り積極的に意見交換してきたい」と語る。
 地域・世代を超えた県人ネットワークを構築するのが大会の狙い。県側は、県人会を国際交流の貴重なパートナーとして改めて位置付けたい考えだ。また、県や市町村の代表だけでなく、民間団体、一般県民も大会に出席する予定で、海外移住者との間で新たな草の根交流の土台を築く絶好の機会となる。
 海外からは米国からの四県人会(ハワイ島、カウアイ島、カリフォルニア州の南加、サクラメント沿岸防長)を筆頭に、ブラジル、ペルー、メキシコ、シンガポールの計五カ国・九団体が参加。二井関成知事を表敬後、代表者会議を開き、記念植樹、青年交流会議なども行なわれるという。
 海外最大の県人会となるブラジル山口県文化協会(八百家族・四千五百人)からは平中会長(60、花卉栽培者)のほか、理事ら七人が訪日する。
 「地域・世代を超えた県人ネットワークを構築する初めての大会。ブラジルでは二世への過渡期に直面しているので、他国の事情を聞きたい」と平中会長。
 県側には留学研修制度の重要性を訴え、留学枠の減少に歯止めをかけたい意向だ。さらに、農業分野で「ブラジルは日本にない独自の技術をもっているので、日本からの研修生を受け入れる研修制度を提案したい」と張り切る。