コラム 樹海

 安売りの代名詞のような「ダイエー」が天文学的な借金の末にとうとう白旗を掲げて降参し、高木社長も責任を取って近く辞職する。世界一の本塁打王・王貞治監督が率いる野球チームも身売り話が飛び出すなど穏やかな空気が消えてしまったのは残念至極ながら、今度は西武・ライオンズも怪しくなってきたらしくプロ野球も生きるか死ぬかの関が原である▼それにしても「西武」という企業はわかり難い。先には西武鉄道が総会屋事件を起こし幹部らが逮捕されたり、傘下の会社を統合指揮する「コクド」も不思議がいっぱいある。堤康次郎氏という人が創業した「西武」は、日本の大企業であり、二代目の堤義明氏は日本オリンピック委員会の名誉会長を務めたりと有名人ながら、何処かに「影」が秘められたような印象が否めない▼事業家としては稀なる才能があるらしいけれども、そのためには手段を選ばないような気質があるらしい。先の引退表明も、あまりに突然なので一般にはさっぱり解らない。が、どうやら事業遂行の必要のためか「嘘」をついていたらしい。西武鉄道の有価証券報告書に誤りがあったのを認めての引責辞任らしいのだが、この「嘘」は許せないし、あってはならないことなのだ▼投資家は、この情報を株式売買の判断材料にする。有価証券報告書は、そういう根幹的な資料なのである。それに記載する条項を何年の何十年も「誤っていた」では、通るまいし、東京証券市場が「上場廃止」に踏み切っても致し方あるまい。(遯)
_04年10月15日。樹海の石塚です。
 安売りの代名詞のような「ダイエイ」が天文学的な借金の末にとうとう白旗を掲げて降参し、高木社長も責任を取って近く辞職する。世界一の本塁打王・王貞次監督が率いる野球チームも身売り話が飛び出すなど穏やかな空気が消えてしまったのは残念至極ながら、今度は西武・ライオンズも怪しくなってきたらしくプロ野球も生きるか死ぬかの関が原である▼それにしても「西武」という企業はわかり難い。先には西武鉄道が総会屋事件を起こし幹部らが逮捕されたり、傘下の会社を統合指揮する「コクド」も不思議がいっぱいある。堤康次郎氏という人が創業した「西武」は、日本の大企業であり、二代目の堤義明氏は日本オリンピック委員会の名誉会長を務めたりと有名人ながら、何処かに「影」が秘められたような印象が否めない▼事業家としては稀なる才能があるらしいけれども、そのためには手段を選ばないような気質があるらしい。先の引退表明も、あまりに突然なので一般にはさっぱり解らない。が、どうやら事業遂行の必要のためか「嘘」をついていたらしい。西武鉄道の有価証券報告書に誤りがあったのを認めての引責辞任らしいのだが、この「嘘」は許せないし、あってはならないことなのだ▼投資家は、この情報を株式売買の判断材料にする。有価証券報告書は、そういう根幹的な資料なのである。それに記載する条項を何年の何十年も「誤っていた」では、通るまいし、東京証券市場が「上場廃止」に踏み切っても致し方あるまい。(遯)

04/10/16