サンタクルース病院=医療研修の場目指す=全伯の日系病院と提携拡充

11月5日(金)

 全伯の日系病院と提携し、無償で医師研修を受け入れ、コロニアの福祉向上に役立ちたい―。サンタクルース病院(以下、SC=横田パウロ理事長)はその計画の第一弾として、十月二十二日にスザノ市にある日系のカンポス・サーレス病院とサンセバスチァン病院と提携を結んだ。
 両院とも経営者に日系人が入っており、地域日系社会への医療に多くの貢献をしている。十月二十九日に来社した尾崎ミウトン正幸SC院長は、「当院は日本人のお金で作った病院ですから、当然の社会的使命と考えています。他の日系病院の役に立つ、日系病院の模範となることを望んでいます」と説明した。
 今後、全伯の日系病院に提携の輪を広げ、医師や医療業務従事者に対する訓練や教育、医療サービス向上プログラムに関する協力、管理部門従事者への訓練、コンピューターによる情報処理に関する訓練の場を無償で提供する予定だそう。
 「提携先では対応が難しい難病患者を受け入れます」とも。
 すでに、JICAブラジル事務所サンパウロ支所の依頼で、ペルーの日系病院に勤めるジョゼ・アントーニオ・コーチ・カナグシクさんを受け入れ、七~二十日の間、病院経営の研修をすることになっている。
 今回初めて実施されるこの方式により、本来は日本で研修するものをブラジルで行い、少ない経費でより豊かな成果を期待できるのではと期待されている。
 荒木文雄SC副院長は「アイデアは古いんです。同仁会時代には診療所がサンパウロ州各地にあった。この提携により、最新医学と病院経営の訓練の場として活用してほしい」と語った。