東西南北

11月12日(金)

 身代金の支払いが困難なら分割でも結構―。誘拐されていた建設資材倉庫を経営する社長の息子(30)が九日夕方、四十九日後に解放された。家族は身代金二万五千レアルを二回に分けて犯人らに支払った。金額は未発表。警察の誘拐対策班(DAS)が誘拐発生以降犯人らの足取りを追っていたが、逮捕には結びつかなかった。現在、サンパウロ州で七人、サンパウロ市で四人が誘拐されたままとなっている。
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 サンパウロ市ジャルジン・パウリスタ区で十年以上時計や宝石など外国の高級ブランド品を販売していた老舗「ニールセン」が九日、密輸と脱税容疑で連邦警察に摘発された。連警は三百万レアル相当の商品を押収。店主や従業員は逮捕されなかった。十五日前に匿名の告発があり、連警は捜査を進めていた。「十二万ドルの時計であっても関税を払わなければ、二レアルの時計を密輸するカメローと同じ」と捜査官。
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 パロッシ財務相は十日、二〇〇四年の税収が前年を上回ることを認めた。税収増の主因は景気回復によるもので、政府が増税したわけではないと強調。税収を〇三年のレベルに戻すため、工業製品税などの減税を来年に行いたい考えを明らかにした。
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 関節炎などの痛みを抑える鎮痛剤Bextra(Pfizer製)を服用すると、心臓発作を起こす確率が二倍に増えるとの調査結果が十日、米国の学会で発表された。この薬はブラジルでも同名で販売され、同種の鎮痛剤Vioxxは米国で販売禁止となっている。製薬会社はもともと心臓病を患う人にだけ発作の危険が高まると結果に異議を唱えた。