ブラジル政治の集中講義=近藤書記官が商議所で実施

11月13日(土)

 ブラジル日本大使館の近藤建二等書記官が十一日午後、ブラジル日本商工会議所(田中信会頭)で「ブラジルの政治を理解するには」と題して講演した。
 書記官は国内政治の歴史の流れを踏まえながら、その制度や、政党の政策について説明。続いて、現議会の勢力分布や、先の統一地方選挙の結果に触れ、〇六年の大統領選挙レースにも言及した。その後活発な質疑応答があった。
 ルーラ大統領の再選に関し、近藤書記官は「現政権のマクロ経済政策は順調で、このまま選挙前まで経済成長が続けば、再選の可能性は十分。それにカリスマ性をもった強力な対抗馬がいないのも有利」とする一方、「ボルサ・ファミリアールなどの社会政策で不正が多発した時や、PT党の行政能力不足に対し、国民の失望が表面化したら厳しい選挙戦になる」との見方も示した。
 また、「就任一年目には、キューバやアフリカを中心に訪問外交してブラジルを『途上国のリーダー』との認知を広めた。二年目からは、先進諸国との関係強化に力を入れ始めている。来年は大統領の訪日も予定され、日本との政治経済結びつきも一層強まるだろう」とも述べた。
 講演後、出席者の一人は「二時間の講演でブラジルの政治の仕組が理解できた。『目からうろこが落ちる』とはこのこと」と感想を語っていた。
 近藤書記官は九五年外務省入省。経済協力局技術協力課勤務を経て、リスボンで語学研修後、ポルトガル大使館、在リオデジャネイロ総領事館に勤務。本省中東アフリカ局アフリカ第二課勤務後、〇四年四月から、在ブラジル大使館政治班。