日本祭り会場移転へ=イミグランテス展示センターに絞る=県連近く代表者会議で承認

11月24日(水)

 日本祭りが三年ぶりに会場変更へ――。ブラジル日本都道府県人会連合会は二十三日、執行部会を開き懸案事項となっていた来年度のフェスチヴァル・ド・ジャポン(日本祭り)の会場について検討。先月の代表者会議までに挙がっていた五つの候補地からジャバクアラ区のイミグランテス展示センターに絞り込むことで意見一致した。二十六日に開かれる代表者会議で正式に承認される見込みで、三年ぶりの会場変更となる来年度の日本祭りはより大きな規模での開催となりそうだ。

 二〇〇二年から三年間、会場に使われたサンパウロ州議会駐車場。初年度こそスポンサー集めの不備もあり、十万レアルの赤字に終わったが、昨年と今年は実行委員会の奮闘の結果、黒字化するなど名実共に県連の主要事業となっていた。
 同駐車場は会場の大きさやトイレなどの設備に問題があり、四十万人(主催者発表)を超えると言われる来場者をさばき切れなくなったことから昨年、執行部では会場の移転を検討。当時も同センターが有力な候補に上がっていた。
 ただ、昨年は前年の赤字を埋めることで精一杯の上、県連に財政的な余裕がなかったことから、吉加江ネルソン副会長(当時)が「来年に成功させてから移転を考えるべき」と提案していた経緯があった。
 今年は九万レアルの黒字を計上したことで、財政面での問題をクリアしたことに加え、来年度からサンパウロ州議会からの会場提供の協力が見込めなくなったことなどから、改めて移転のプランが浮上。執行部では同センターやイビラプエラ体育館、サンボードロモなど五つの候補地を慎重に検討してきた。
 「どの候補地も一長一短だった」。田畑稔前実行委員長が語るように、選定は様々な角度から行われたが「地下鉄ジャバクアラ駅から八百メートル」「駐車場が豊富」「使用料で融通が利く」などを理由に同センターに白羽の矢が立った。
 県連によると、会場は同センター内の屋外部分を予定し、面積は一万八千平米。使用料は十二万レアルになる。州議会駐車場は無料で利用できたため、県連では一人あたり五レアルほどの入場料を徴収したい考えだ。
 様々な催しを目的にする同センターだけに、トイレも完備、駐車場も一万台を収容できるなど、今年までの会場では解決できなかった問題がクリアされる。田畑前実行委員長は「最大の課題は会場変更に伴う宣伝や告知。大勢の来場者を集めるために知恵を絞らないと」と語るが、仮に来場者が十万人程度にとどまっても、五十万レアルの入場料は期待できるため、十二万レアルの使用料も負担にならない、と県連は見込む。
 女性では初めてトップに立ち大イベントを取り仕切る和田有北之示実行委員長は「次回の代表者会議で各会長さんらに承認していただき、一日も早く実行委員会を立ち上げたい」と意気込みを見せる。