コラム 樹海

  為替も株式の相場も大変に難しい。上がるか下げるかの二つの選択しかないのだが、この問いに正確に答えられる人は絶無が正しい。日本でも株式で大儲けしたという伝説的な人物は多い。が、彼らとても先行きの予測が一〇〇%当たったわけでは決してない。為替にしても同じ。このところレアルが高くなってドル安が続く。円も高く、これまたドルが安い▼昨年の暮れには3・5レアルを突破するだろうの見通しが一般的であり、今年に入ってもドル高の傾向が強くなっていた。さすがに暴騰はしなかったけれども、六月からの動きは3レアルを突破しあと一歩で専門家らの予測と同じようなレアル安になるところであった。幸いというべきか?十一月になると一変してドルの価格が下がり始め今のところ2・75レアルの水準で推移しているが、これとても輸出業者にとっては最も恐ろしいことなのである▼このドル安は四年ぶりのことだが、大好況の輸出業者にとっては頭が痛い。日本だって事情はまったく同じと見ていい。戦後の日本は1ドルが360円の固定相場であり、これが復興の大きな力になったのを疑う人はいまい。これを変動制にしたのは田中角栄内閣であり確か1ドルを280円だったかに設定したと記憶している▼それからプラザ合意もあり円高は進む。1990年代初めには80円台になって大騒ぎ、この後には七〇円代に突入したこともある。これを事前に解っていれば、成り金は間違いなしだけれども、そんな運の良い人がいると耳にしたことがないのは真にもって残念。  (遯)

04/11/27