鹿児島県人会=90周年記念誌を発行=若い世代に期待を込めて

12月1日(水)

 待望の記念誌完成――。昨年県人会として最古となる創立九十周年を迎えた鹿児島県人会(田畑稔会長)はこのほど創立九十周年記念誌を刊行した。一世紀近くに渡り、ブラジルで奮闘してきた同県人会の歴史が一目でわかるほか、県人会の未来を担う若い世代の活動などが盛り込まれている。
 昨年十月に母県からの慶祝団を招き盛大な式典を行った同県人会。通常は式典に合わせ、記念誌を配布するのがこれまでのコロニアのやり方だったが、式典当日の様子を盛り込みたいと、同県人会ではあえて発行を遅らせてきた。
 鹿児島県人の心の故郷である桜島の雄大な風景を表紙とした記念誌は全三百ページ。冒頭には、脇田稔副知事らを招いた昨年十月の記念式典の様子をカラーで大きく紹介した。「九十年の歩み」と題した県人会の歴史を振り返る項目では、一八六九年に始まるブラジルと鹿児島県との接点からを現在にいたるまでを記している。
 数多くの県人を抱える同県人会だけに、若い世代も含めた幅広い交流が行われており、第三章「交流会」では二世以降の新世代が中心となる若人交流会や、奄美出身者でつくる奄美同士会、ブラジル枕崎会を取り上げる。
 九十周年にちなんだ企画としては、ブラジル社会で活躍する二世と三世を九十人取り上げて紹介するもので、現在の職や連絡先、両親らの渡伯年などが日ポ両語で記された。
 日本語が読めない若い世代にも、先祖らの苦労や活躍を知ってもらおうと後半の百ページはポ語で歴史などを振り返っている。
 記念誌の問合せについては鹿児島県人会(11・3862・2540)へ。