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Xマスプレゼントに和太鼓=イグアスー移住地から弓場農場へ

1月4日(火)

 待望の和太鼓がクリスマス・イヴに弓場農場に届き、例年でも賑やかなクリスマス祭が、軽快な太鼓の響きで一層賑やかになった。この太鼓はパラグァイのイグアスー移住地にある太鼓工房(石井吉信棟梁・山形県出身)で作られた、丸太をくり抜いた本格的なもの。二人の息子が同移住地に魅せられて移り住み、石井棟梁や腕利きの猛者たちの参加を得て和太鼓作りに励んでいる姿に感激しているのは、東京芸術大学の澤崎眞彦教授だ。
 澤崎さんは、高木ラウル・ニッケイ新聞社長と長い親交があり、弓場農場(弓場常雄代表)が農業を基本としつつバレエを始め、芸術活動に力を注いでいることを高木社長から聞いて深い関心を持ち、弓場の芸術活動に役に立てば、ということで同社長を通して贈呈することになったようだ。
 太鼓工房は、イグアスー日本人会に所属し、文化担当副会長の福井一朗さん(岩手県)が責任者となっている(本紙・〇三年十一月二十六日報道)。日本ではケヤキ材が太鼓の主流ながら、パラグァイではセンダンとカナフェストが主流だ。カナフェストは木目が細かく硬い材質なので音が遠くまで届く特徴がある。品質は日本製と変わらない、ともいわれている。
 今回、寄贈された和太鼓はカナフェスト材で作られたもので、弓場大五君が試しに叩いた太鼓の音色が集まった人々を魅了した。弓場農場の文化担当・矢崎正勝さんは「イグアスー移住地の太鼓は素晴らしいと聞いていたが、こんなに立派なものだとは……、驚いた。音色も最高だね。澤崎教授と作られた方々に感謝します。これで、ここの子供たちの活気が一層みなぎりますよ。願わくば、移住地から太鼓の指導に来て欲しいです。できれば、公演を通して両者の交流が活発になることを期待したい」と抱負を述べている。
 イグアスー移住地は二〇〇六年に入植四十五周年を迎える。未来は未知の世界ながら、和太鼓が取り持つ縁で、弓場農場と移住地で、ぞれぞれ、和太鼓とバレエの記念公演、という展開になる潜在性がありそうだ。

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