コラム オーリャ!

  年末・年始の休暇を利用して、ブラジルに里帰りするデカセギもいたことと思う。ある日本人男性(六十代)は約二十年間、日伯間を毎年のように往復しているそう。
 二十歳前後の子供を二人抱えており、教育費などを稼ぐのが日本で就労する大きな目的ようだ。本人は「デカセギの走りです」と言う。
 妻子は、大黒柱が一年の大部分不在であることに心配の種は尽きない。国際線の搭乗口に消えていく姿を見るのが耐えられないから、見送りはいつもコンゴニャス空港まで。男性はバスでグアルーリョスに向かう。
 父親は日本滞在中、毎週末に必ず電話をかけてくるのが習慣だ。近くに住む親戚らが、一家を気にかけている。
 犯罪や家庭崩壊などデカセギと言えば、負のイメージが思い浮かぶ。温かい家庭もあることも知って少しホットした。 (古)

05/1/6