■ひとマチ点描■様変わりするコンデ街

1月11日(火)

 戦前移民のふるさと、サンパウロ市コンデ街にそびえ立つ〃コンデのお城〃が、近代ビルに囲まれつつある。
 この邸宅は、19世紀にルイス・デ・ロレーナ・ロドリゲス・フェレイラ伯爵(コンデ)が愛するマリエ・ロウイーゼのために建設させた。窓が各所に散らばる、当時としてはモダンな建築だった。
 〃お城〃が史跡なので取り壊し出来ず、大幅な改修工事をして、将来はパウリスタ大通りのカーザ・ダス・ローザス(バラ屋敷)同様、文化施設として一般に公開されるようだ。
 そこをよけて、22階建てのL字型ビルが建設中。来年末にオープン予定で、当初は司法関係事務所などが入所するが、いずれ商業ビルにする意向だ。
 右手奥の14階建てビルは、02年に州裁判所の判事事務所用に引渡しされたもの。共に所有者はカルロス・シャーガス財団。
 すぐ隣の沖縄県人会では、「杭を打ち込む時はうるさくて堪らなかったが、治安が良くなる」と期待している。どこぞのビルは、セアザ近くへ移転しようとしているが、セントロの再開発は着々と進んでいる。(深)