「秋田こまち」を収穫=3年目の成果、弓場農場で=直播き陸稲栽培=有機農法にこだわって

1月12日(水)

 待望の「秋田こまち」が弓場農場で、去る十二月三十日、収穫された。同農場で稲作を担当しているのは箕輪畑助さん。自給自足が根底にあるため、みんなの健康を第一に考え、果菜類を含めて、穀物栽培も有機農法にこだわっているのが特徴だ。長野県出身の父親・勤助さん(二〇〇三年二月没)が創立者・弓場勇さん(一九七六年没)の同志の一人であり、畑助さんは創立者が提唱した「土と共に生き、祈り、芸術する」理想の環境の中で育ってきた、という背景もある。

 今回収穫したコメは〇三年九月初旬に蒔いたもの。直播きの陸稲栽培を採用した。地下水は十分にあるが、砂地のため、秋田県のような水稲栽培には無理がある。インターネットで検索した秋田こまちの稲作カレンダーには、栽培する地域によって作業の適期が多少は異なるものの、播種期と育苗期が四月から五月中旬、田植え期が五月中旬から六月中旬、出穂期が七月から九月、そして、収穫期が八月中旬から十月中旬頃、とある。十一月から翌年四月までは土づくりの期間だ。
 秋田県は、東北地方にあり日本海に面している。同県での収穫最盛期が弓場農場では播種期なのだ。その代わり、年末に収穫して、正月に本当の新米を楽しむことができる、という利点がある。コシヒカリには及ばないものの、艶があり美味しい、と「秋田こまち」は日本の消費者の評判が高い。
 弓場農場では、コメは自給用に複数の品種を約一ヘクタール栽培されている。農業はいつも難しい、と口ぐせのように言う畑助さんだが、栽培三年目の「秋田こまち」の出来ばえにはほぼ満足のような表情だ(写真)。
 農場はサンパウロ市から西の方角に約六百十キロの地点に位置し、サンパウロ州ミランドポリス郡の第一アリアンサ移住地の中にある。畑助さんは環境保護も考えながら農業を行っており、〇三年七月には田んぼに沿って、イペー、セードラ、アロエラなど数種類の苗木千二百本を植えた。その成長も楽しみだ、という。