コラム 樹海

  「自由」を追及し「世界の圧政を終わらせる」のが、米大統領である私の究極的な目的である。ブッシュ大統領は就任演説で遠大な政治理想を力強く語ったが、具体的な政策については二月の一般教書演説や予算教書まで待たねばなるまい。ライス次期国務長官は、北朝鮮やイラン、ミャンマー、ジンバブエなど六 国を名指しで「圧政の拠点」とし非難したが、大統領の意見もまったく同じと見ていい▼ブッシュ政権は、チェイニー副大統領、ラムズフエルド国防長官など強硬派とされる陣容が軸になり編成されている。イラク戦争もこうした新保守派の考え方から始まったとされるが、二期目のブッシュ政権は外交や内政でも極めて難しい課題を抱えているのは否定できない。内政では過去最大の4100億ドル(約41兆円)という財政赤字がある。大統領は「赤字半減」を公約するが、果たして実現できるかどうか▼外交ではイラクが最大の課題となろう。この30日には国民議会選挙があるし憲法制定や本格政権の樹立と難問が立ち並んでいる。間近に迫った選挙にも反対派がいて妨害するためのテロが横行し犠牲者の数は膨れる一方である。駐留する米軍兵士の死者も留まるところを知らない▼こうした難題と課題をいかに処理するかが問われているのだが財政赤字だけを取り出しても―「赤字半減」は相当に難しい。大胆で大幅な歳出の削減が政策の要となろうが、これをいかに実践するかの遂行能力が試される。内政も外交も難しい歴史的な政権となりそうだ。   (遯)

05/1/25