無給市長は86歳=ウライ市村氏=財政好転させ得るか

1月27日(木)

 【ロンドリーナ】パラナ州では昨年の選挙で、六人の日系市長が誕生したが、この中でもブラジルで最高齢者とされる市村之氏が、八十六歳で四回目のウライ市々長に就任、さきごろ就任式が行われた。市会議長には、澁川マーリオ氏、副議長に福田リーノ氏、ほかに尾形ドリバウ氏が就任、市議八名中三名を日系が占めている。
 市村市長は一九三八年九月に、ウライに入植。十年後にラミー栽培に着眼し、世界のラミー王となったほか、カフェでも王国を築いた。父親の小太郎さんは、常に「普通の石でなく、宝石になれ。金は人からもらう人でなく、金を与える人になれ」と〃特別訓辞〃を与えたという。
 市村氏は、一九七二年から三期市長を務めたが、市の財政が良くなったため、四期目は立候補を取り止めた。しかし、再び財政赤字になったため、市民は高齢の市村氏に四回目の市長となることを要望。これに応えて当選を果たし、九十歳まで市長職を果たすことになった。
 過去十二年間の市長時代にも無給で勤めており、現在も五十代の年齢と自負する市村市長の活躍が期待されている。