「ブラジルの中の台湾」=太陽ある所に必ず客家=サンパウロ市市内センター竣工式盛大に=海外から慶祝に400人

2月10日(木)

 ブラジル客家センターの竣工式が、七日午前十一時から、サンパウロ市リベルダーデ区サンジョアキン街の同センターであり、千人以上が会場に詰め掛けた。地下三階、地上四階建て。台湾系移住者が出資する形で資金を集め、コロニアのために会館を所有したいとの悲願を達成した。カルナヴァルと旧正月(八日)が重なり、母国を始め、日本、米国など海外から約四百人が慶祝に訪れた。

 正面玄関の内側には、チャイナドレスで着飾った二世の女性が招待客らを出迎えた。来館者は「ブラジルの中の台湾」に歓呼の声を上げ、写真を映すなどして記念を残していた。
 式典はまず、獅子舞を舞って厄払い。その後、張永西客家センター主任委員長や羅文嘉台湾客家委員長らでテープ・カット、千二百人収容可能な地階のサロンに場所を移動した。
 張主任委員長は「建設工事は困難を伴った。皆さんがそれぞれの力を発揮して完成したものです」と労をねぎらい、「息子や孫に株を譲ることで未来永劫、(客家センターを)次の世代に残していくことが出来る。太陽ある所に客家は必ず存在する」とコロニアの繁栄に自信をのぞかせた。
 羅委員長は「こんな立派な建物が完成したのは、母国の誇りだ。客家は、粘り強い人種。皆と一緒に正月を祝えて、幸せ。世界のどこに住んでいても、心は一つです」と民族意識を鼓舞。会場の拍手を浴びた。
 周國端駐巴西台北経濟文化辧事處代表は「ブラジリアに勤務している。三十年前にもブラジルに来たことがある。その時と客家の結束力は変わらない」と激励した。 さらに「東洋人街に立地。ブラジル日本文化協会の斜め向かいにあるのは、我々に心強いことだ」と、上原幸啓文協会長や中沢宏一県連会長、酒井清一援協副会長など〃御三家〃の代表者らを前に、リップ・サービスも。
 最後に乾杯、食事とアトラクションに移った。米ロサンゼルスから来た徐文華さんは「アメリカには、こんな立派なセンターはありません。ブラジルの人の力はすごい」と話していた。
 海外からの来賓は旧正月の八日まで、各地の事情を報告したり、南米一の規模と言われる如来寺(ZU LAI)を訪問するなどしてブラジルの台湾系移住者らと親交を深めた。