高い関心=批判も続出=百周年事業案日本語説明会=総意固め、再び頓挫

3月15日(火)

 ブラジル日本移民百周年記念祭典協会(上原幸啓理事長)は十二日午後、文協小講堂で日本語による説明会を行い、約百二十人が参加して熱心な質疑応答が行われるなど、今までにない高い関心を集めた。最初の二時間は祭典協会側からの一方的な説明、残り一時間余りは出席者から次々と質問や批判が浴びせられたが、それに対して協会側は無難な点しか回答せず、歯車がかみ合わなかった。協会側は「総意」を得るための説明会として主催したが、結果的に「総意には時間がかかる」ことが再認識される結果になったようだ。当日の様子を以下、連載で詳報する。

 当日は、渡部和夫補佐による同協会組織や基本的考え方、中谷アンセウモ資金調達委員によって初めてしめされたカルネ方式の資金調達法、山下譲二前文協専任理事からヴィラ・レオポルジーナ案に関する日本語での説明など、力の入ったセミナーとなった。
 冒頭、来賓として石田仁宏サンパウロ総領事は、百周年の重要性をかんがみれば、いろいろな意見やアイデアが出てくるのは当然のこととし、「大事なことは忌憚のない意見を述べて、議論検討を重ね、みんなでやろうという総意を作ること」と強調した。
 「このような場で意見の統一を図り、実現に向けて努力してほしい。大多数の人が合意したら、それに向けて努力を傾注することが大事」。そして「政府は最大限、いろいろなことをお助けする」との姿勢を明確にした。
 すでに政府レベルで、内々に百周年記念行事を検討していること明らかにしたが、「まだ検討段階だからここで発表はできない。ただ検討しているのは事実」と認めた。最後に「あと三年ちょっとは、長いようで短い期間。いろんな意見をいただき、なるたけ総意を作るよう努力してほしい」と改めて強調した。
 JICAサンパウロ支所の石橋隆介次長の挨拶に続いて、上原幸啓理事長はまず、「ここにいらっしゃるみなさん、どうぞ百周年まで元気でがんばりましょう」と語り、いつも同様に、百周年の四大目標を説明した。
 (1)移住者へのオメナージェン(顕彰)として感謝を捧げること、(2)在日ブラジル人コミュニティとの連携を図ること、(3)日伯関係の強化、(4)ブラジルにおける日本文化普及、日本におけるブラジル文化普及。中でも「ただ単に日本文化を保存するのではなく、ブラジルの多文化国家形成に貢献できるようにすることが大切」と挨拶した。
 続いて説明会の本題に入り、最初に渡部和夫補佐が、祭典協会の今までの経緯と、日伯総合センター案の基本的な考え方を語った。
       (つづく)