ピラール・ド・スールで農畜産展=邦人入植60周年、貢献に高評価

3月17日(木)

 日系農家が多いサンパウロ州ピラール・ド・スール市(サンパウロ市から南西に百八十キロ)で十一~十三日、第九回農畜産展(ぶどう祭り)が行われた。今年は同市における邦人入植六十周年の年に当たる。
 同ぶどう品評会には日系農家から多くの出品があり、日系人が毎年上位に入っている。
 十一日の夜九時に市長や関係者、周辺の町の代表者などを招き開会式が行われ、市長は挨拶で市の関係者に感謝を述べた。邦人入植六十周年についてもふれ、これまで日系人が市に大いに貢献してきたことにも感謝の気持ちを表した。
 ピラール・ド・スール文化体育協会の南満会長、鐙野直樹学務理事も招待者として挨拶をし、その中で「日本人入植者が辛酸を味わった町も多くある中、このピラール・ド・スールは日本人入植者を温かく迎え入れ、非常によくしてくれて、感謝している」と市に謝辞を述べた。
 また、「今年は邦人入植六十年を迎え、その最初の入植者の長浜ふねさんが百歳になるということで、今年は節目の年であり、我々日系人には重要な年である。」と述べた。
 開会式の最後には、文協の太鼓部の子供達による演奏が行われ、式の最後を締めくくった。この太鼓の発表は二日目の夜にも行われた。
 毎年このぶどう祭りには、文協がやきそばを販売しており、日系人、ブラジル人を問わずとても好評で、「KAIKANのやきそば」は町の名物にもなっている。この三日間で準備していたやきそば千八百食分を完売。婦人会を始め、日本語学校の父兄・子供、スポーツ部など文協総出で準備・販売にあたっていた。
 その横には邦人入植六十周年を記念したブースを設け、昔の文協や日本語学校の写真などを展示も行っていた。
 ピラール・ド・スール市は日系人が作り上げた移住地ではないが、入植してきた日系人が非日系ブラジル人と共に市に貢献、市の重要な役割を果たしている。そして、最初の邦人入植者から築き上げていった六十年の歴史が見られるぶどう祭りであった。