パラナ州経済使節団=日本市場で特産売り込み=団長の西森州議、成果語る

4月5日(火)

 ブラジル有数の農業州パラナ州が大豆や鶏肉、オレンジジュースといった特産品を日本市場向けに輸出しようと攻勢を掛けている。 同州議会は三月二日から十二日まで、昨年に続き二年連続で経済使節団を派遣。訪日したのはクリチーバ、マリンガ、ロンドリーナなど州内主要都市の農協代表ら八人で、アジア最大規模の国際食品・飲料展フーデックス(千葉県幕張メッセ)や、東京のブラジル大使館で行なわれた商談会に参加し、ブラジルの農産物に関心を持つ日本企業の掘り起こしに努めた。
 団長の西森ルイス州議は「予想を上回る結果を残せて満足している」とし、具体的には「鶏肉とオレンジジュースへの反応が良かった。参加者の一人だった鶏肉業社のオーナーは在庫を完売。マリンガ農協はオレンジジュースの売り込みに成功した」と述べた。
 さらに、同州で年間七百万トンを生産する大豆の対日輸出拡大に大きな可能性があると確認。「遺伝子組み替え大豆の輸入を禁じていたり、たんぱく質の含有率に規定があったりと障害も多いが、パラナ州の大豆は高い品質を誇る。将来、商談を発掘できると思う」と、強い期待感を示した。
 また、イヴァン・カンナブラヴァ駐日大使との懇談の際、不登校児や低い進学率が懸案となっているデカセギの教育問題についても話し合ったという西森州議は、「大使はそれに関して近く大きなニュースがあると言っていた。まだ明かせないということだったが、改善に繋がるものであると信じている」と語った。
 また、外務省を訪ね、三世以降の日系人や非日系のブラジル人を対象にした日本での技能研修・実習制度の実現を要請。「これは現在、日本が中国などと行なっているもの。もし実現すれば、日伯両国の労働市場にとって有意義であると考えている。外務省は前向きの姿勢を示してくれた」と振り返った。
 使節団は訪日中、三十五年前から姉妹関係にある兵庫県の井戸敏三知事を表敬訪問し、神戸市の商工会議所関係者とも会談した。