■ひとマチ点描■百周年見据え打診

4月26日(火)

 石川県人会の、開館10周年で知事を呼ぶというのは少々珍しいと思い、落成時の会長である中西忠勇さん(1984―96=県人会長、92―93=県連会長)に聞いた。
 「県人会は今年68周年。順当なら07年の70周年で知事を呼ぶべきなんだろうが、何と言っても100周年の前年だから、2年連続何かをお願いするのも失礼にあたる。それならと、開館10周年にと県に打診し、実現した訳です」。谷本知事の初来伯は落成式の95年で、今回は2回目。
 自らが同知事に開館建設への協力を依頼し、母県で1億1千万円を集めてもらった。無事10年を迎えた建物をしみじみと見て、「本当に母県のおかげ。100周年はコロニア全部でやるもの。県人会の70周年は内輪でいいと思う」と語った。
 号令をかけるべき祭典協会は記念事業を巡り混迷しているが、各日系団体の意識はすでに、100年祭へ収斂していることを如実に感じさせた。   (深)