野球普及にT―ボール=初めて祭り=子供の日、年少者が対象=サンパウロ州球連300人集める

5月12日(木)

 第一回T―ball(T―ボール)祭が、七日午前八時半から、ミエ・ニシ球場(ボンレチーロ球場)で開催された。主催はサンパウロ市(ジョゼ・セーラ市長)、サンパウロ野球ソフトボール連盟(オリビオ・沢里栄志会長)。五月五日の「子供の日」にちなんで、開催された祭り。四歳から十歳の子どもたち約三百人が集まり、球場の中心には鯉のぼりが上げられた。
 男子十七チーム、女子はソフトボールの三チームが参加。各チーム二試合ずつ試合をした。
 T―ballは、ピッチャー、キャッチャーがおらず、Suporte de bolaと呼ばれる台の上にボールを置き、バッターが打つというルール。対象年齢は四歳から八歳、女子は十歳としている。
 ブラジルでSuporte de bolaを使用するのはこの日が初めて。米国などの他国では使用しているが、ブラジル野球連盟では認められておらず、コーチがボールを投げて打つ練習をしていた。
 しかし、それでは「良いバッティングの癖がつかない」という関係者の声が多く、今回試験利用することに。「これでバッティングの基礎がしっかりして、いい選手を輩出することにも繋がれば」と沢里さんは話す。
 また、野球を普及させることを目的に、市立・公立小学校二校、ファベーラなどのサッカーチームから低所得層の子どもたち約百人を招き、野球教室を開講。初めて野球をする子どもが多く、興味津々の様子だった。
 かつては「ブラジルの甲子園」と呼ばれた同球場。最近は大会が少なくなり、利用者が減っていた。しかし、移民百周年に向けて球状の存在をアピールするためにも今祭を企画。
 沢里会長は「今日を機会に子どもたちに野球を好きになってもらい、野球人口を増やしたい」と話した。