荒山開拓し、家庭顧みず働き……=コチア青年=還暦古希祝う=ピエダーデ市長も出席

5月18日(水)

 コチア青年連絡協議会(高橋一水会長)は十五日、ピエダーデ文化体育協会会館で第十五回還暦・第六回古希合同祝賀会を開催した。
 移住開始から五十年の節目を迎えるコチア青年。出席者は約百八十人と例年を上回り、「二十年ぶりの再会」という場面もみられた。還暦該当者九人のうち三人が、古希は六十一人のうち二十三人が出席した。
 川上哲司さんの司会で祝賀会は進行。はじめに先没者に対して一分間の黙祷が捧げられた。
 高橋一水会長はあいさつで「荒山に挑み開拓し、家庭を顧みずに働いたこともあったが、まだまだがんばれるという気持ちや、貢献したという自負を忘れずにいて欲しい」と述べ、「これからは家庭や健康を大切にしましょう」と語った。
 続いて、ピエダーデ市のジョゼ・タデウ・デ・レセンデ市長が祝辞で、「コチア青年が、ピエダーデにおいて柿や葡萄などの農業分野で貢献してくれたことを感謝している。なくてはならない存在だ」と称えた。
 さらに、益田照夫ピエダーデ文協会長は「平穏、幸せ、と今は思われるかもしれないが、大変な苦労があった。しかしいちばん大変だったのは、励まし慰め一緒に働いた花嫁たち。感謝を忘れずに」と、妻たちにも花を持たせた。
 式典後は、語らいながらの食事会。高橋会長が「飲んでこそコチア青年」というだけあって、ピンガにウィスキー、セルベージャと、いまだ現役の飲みっぷりを見せた。
 コチア青年五十周年記念大会は九月十八日、サンロッケの国士舘大学スポーツセンターで行われる。五十周年に向けて、記念誌、植樹、大会の三本柱で活動が進められているが、大会は前夜祭として十八日から「どんちゃん騒ぎ」で盛り上がる予定。
 また、記念誌は玉腰範義さんが編集委員長を務め、一年前ほどから調査や編纂が続けられている。「三百人からアンケートをとり、彼らの生きる道を探求し、面白い結果が出ている。まだやりたいことはたくさん」と意欲を見せる。
 「希少で特異な存在」と言われるコチア青年たち、人数は増えなくても彼らの夢は膨らんでいるようだ。
 祝賀会の来賓には、ブラジル農協婦人部連合会の吉泉美和子会長、パトロン代表として川上皓さん、ジョゼ・タデウ・デ・レセンデピエダーデ市長やラウド・ペレイラ・ダ・シルヴァ同市会議長らが出席。
 ピエダーデ柿祭りを来週に控え、会場では益田文協会長らが柿を販売し賑わいを見せた。