つらい、少しの辛抱=移住者男性「命の危険はない」

6月11日(土)

 在サンタクルス出張駐在官事務所によれば十日現在、近郊街道が三、四カ所で封鎖されているが、管内在留邦人の被害報告はなく、市内は比較的落ち着いた状況だという。しかし、サンファン移住地では道路封鎖の影響により、野菜や卵などが出荷できない状況が続いている。
 「ホテルや旅行関係者への打撃は大きいですね」と語るのは、ラパス市内でホテル「一番ホテル」を経営する南雲謙太郎さん(57)。自身が経営するホテルも先月から団体のキャンセルが相次いだ。
 同市では二週間ほど前からガソリンや野菜が入ってこない状況が続いている。 「以前は土、日になるとデモや道路封鎖は緩和されて野菜なども売りに来ていましたが、最近は土、日も続いたので底をつきそうな状態」と現状を説明する。
 その一方で、治安について不安を感じることはないという。四十五年前にボリビアへ移住。四年前から同ホテルを営んでいる。
 「昔、軍のクーデターが頻発しているころは、見ているだけで撃たれることもありました。それに比べれば今は命の危険を感じることはない。軍政時代を知る人は『またやってるか』という感じ。物資が入ってこないのはつらいけど、もう少しの辛抱かな、というところです」。