コラム オーリャ!

 短歌を携帯電話やパソコンメールで投稿するNHKのラジオ番組が人気を集めている。「とりあえず居場所もお金もくれるから バイトしてたい今日もあしたも」。寄せられる短歌の内容は、家族、学校、リストカットなど十代、二十代の投稿が八割を占める。
 「一九七〇年代の学生運動など若者がいきいきしてる時の日本見た。今の若者元気ない。とても心配」と話すのは日本で約二十年間仕事をしていたブラジル人。
 ブラジル生活十五年のある日本人は「今の若者は人と対話できない」と見ている。「昔みたいに欠けた月を愛でる心の余裕など今の日本人にはないんじゃないか」と言う人も。
 寄せられた「ケータイ短歌」は四千首にものぼるそう。自分の心情を〝メールでなら〟吐き出せる。二十一世紀、社会を反映した新しい文学?の誕生か。(南)

 05/6/11